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先日J・D・サリンジャー死去

小説「ライ麦畑でつかまえて」で知られる米作家J・D・サリンジャー氏が1月27日、自宅で老衰のため死去しました。91歳だったようです。ご冥福をお祈りいたします。

ブログのコメントライ麦畑でつかまえてをおすすめした直後のことだったのでびっくりしました。何か感じるものがあったのかもしれません。

そこでおすすめの一冊ですが「キャッチャー・イン・ザ・ライ」村上春樹訳 です。ほとんどの人が「ライ麦畑でつかまえて」野崎訳を読んできたこととおもますが、今、野崎訳を見直してみてやはり文体が古いんですよね。この小説の特徴として一人称による語りかけ形式になっていてかつ攻撃的な言葉いわゆる俗語が多くそれが野崎訳では少し違和感を感じます。具体的には「~やがんだよ」「奴(やっこ)さん」「イカシタ子」などです。よく古いアメリカ映画やドラマでよくそういうふうな感じで吹き替えを聞いたことがあるかとおもいます。しかし昔でも現実にそんな言葉を発した友達は一人もいませんでした。未だかつてやっこさんとか言ってる人は一人も巡り会いませんでした。村上訳の方が現代的で違和感なくすーっと入ってきます。これから読む人は村上訳がおすすめです。ニュアンスも主人公のホールデンの心情がより鮮明に映し出されていると思います。

さてこの小説はあまりにも有名で世界でもっとも読まれてるなかの一つであると同時にいろんな面でいわくつきの小説です。絶対学校の教科書には載らないだろうと思う小説でもあります。しかし昔は若者のバイブルみたいな風潮があったようにおぼえます。すこし過激な表現だけに中学生ではちょっと早すぎる。高校生で読む人がけっこういるみたいですけど今の高校生で本当に真意を読み取れるかどうか疑問です。主人公は高校生なので同世代の高校生は共感するものがあるかと思います。しかしそれが主人公の悪態や狂言に同調するだけで終わってしまうような気がします。ましてや舞台はアメリカで日本の高校生とはちょっと違う。やってることがおませですよね。小説の中にあるように高校生が車を乗り回して女の子とデートするような日本の高校生はいないでしょうし。わたしは大人の社会を垣間見るようになる大学生で読むのが一番最適かとおもいまね。

とにかくこの小説は奥が深い。
この小説に対する感想意見は様々あるでしょうが私のとらえ方はこうです。
まず若者の心の描写が見事に描き出されています。反抗的な社会より内面の心の心情を深く味わって欲しいです。横暴を繰り返す主人公が狂人なのかそれとも社会が狂ってるのか。特に表現が過激だけに順風満帆に育った人、ボンボンに育てられた人、もてもての人生を歩んできたおぼっちゃまにはそれこそ耐え難い、吐き気をもよおす書物なのかもしれません。ではそういう優等生が いわゆるオチこぼれの子、いじめのあった子、ニートになってる子、不良をやってる子の心理が理解できるのか!っていうことです。
わたしは世の中は建前の世界(虚像)と本音の世界(真実)が存在すると思います。
そして主人公であるホールデンはこの大人の嘘ぶいた建前の世界を理解できないし非常に嫌悪感を持ってます。これを特に助長するものが弟の死だったり、同僚の自殺だったりするわけです。小説ではこのあたりはさらっと流してますがホールデンの言動の源がここにありっと感じます。そして中盤まで最愛の妹のフィービーのことがさらっさらっと出てきたので少し気になりつつ読み進めると最後はやはり・・・・
あまり詳しくいうとネタバレになって読んでない人が迷惑を被るどころか出版社から著作権侵害とクレームがきてもいけないのでこのあたりでおわりです。

それからもう一冊ご紹介。これはキャッチャーを読んだ人のための本です。キャッチャーをより深く味わいたい人、いや村上春樹ファンの人でも結構です。村上春樹はいまや時の人ですからね。その人が自分の考えを述べるのはそうそうないですよ。

翻訳夜話2 サリンジャー戦記 (文春新書)

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